16. 常識が人を三日月にする 13

(K)怖い。「思いっきり信頼してやればいい」というが信頼して結果が裏切られた結果になった時に。

 

 

(佐藤康行)「裏切られる」というのは自分の問題だから、覚悟をすればいい。例えばアルコール依存とか薬物依存をやる時に、常にこの二つを使い分ける。

一つは愛、二つ目は恐怖。例えば、「Hさん、もしそのまま薬物を続けるとどうなりますか?」って聞くわけ。

すると彼は途中から、自分の友だちが薬物依存で死んだことを話し出した。ぼろぼろ泣き出した。泣きながら「実は友だちが薬物をやって死んで棺桶に入れられて、骨をつまもうとするとつまめない。それほど薬物は怖いんだ」と泣きながらいう。それを彼の口から言わせるわけ。すると怖くなってくるわけ。恐怖が出てくる。恐怖になるからそれがブレーキになる。このままいっちゃうとどうなるか。

こっちから教えをしたら脅し。本人にそれを言わせる。そうすれば脅されたというのが残らない。自分で言っているんだから。「それをもうちょっと聞かせて」とかそれを出してあげる。それがひとつ。

 

もう一つは、絶対的な真我である信頼をしてあげて、彼を愛してあげる。それを認めてくれる。この二つを上手く使い分けてやるとやめざるを得なくなる。

Iさんもそう。このまま飲み続けていたら余命1年。すると怖いわけです。その恐怖がはっきりしてきたらそちらの方にいかなくなる。