97.泥棒も「いいね」から出発

(質問者)そうやって引き出す時に、その人の状況だったり、例えば子供だったり大人だったりということで、何か違うことというか、何か意識されてることはありますか。

 

 

(学長)基本は同じです。基本は同じだけど、その人の個性を生かすことですから、基本は同じなんだけど、子供のほうが何もない分だけやりやすいってのはあるね。例えば、大人だと、もしかしたら仕事を辞めなきゃならんかもしれない。結婚してたら、「本当にこの人と結婚してていいのか」とかってなっちゃう可能性もあるわけ。そういう面で、それも全部生かしながらやる天才を生かすというのは、大人のほうがちょっとあれかもしれない。子供だったら、全く何も最初からないんだからやりやすい、教育はしやすいだろうね。男だったら仕事を辞めなきゃならんかもしれない、もっと向いたものを発見したら。

でも、人生単位で考えたら違うかもしれない。でもね、未来内観なんかもまさに死から生を見るってのは、必ず人間は死ぬんですから。だから、その観点で捉えるというのを遠回しに言ってるんですよ。あんた、そのまんまで後悔しないかいって、死ぬときに。できるだけ早いに越したことないと思う、それに気づくの。Tさんの息子さんに言ったんですよ。「22歳、いいねえ」って。それも才能、22歳っていう才能だよって。なれないじゃない、いくら逆立ちなっても。

 

(受講生)学長の話聞いてると、「いいねえ」って必ず全肯定から入るのが、出来そうでいて、出来ない。出来てないという。

 

(学長)だから、満月という前提なの。悪いことも「いいね」から行く。例えば、「昨日、泥棒してきました」と言ったら、「いいね」って。

 

(つづく)